アメリカンウイスキーを代表すると言っても過言ではないジャックダニエル。
ボトルのカッコよさに興味を持った方も多いのではないでしょうか?
一方、何らかの理由でウイスキーやジャックダニエルに対し悪いイメージを持っている方も少なからずおられると思います。
私のジャックダニエルの初飲みも最悪でした。
若気の至りでコーラ割りやハイボール、水割りを大量に飲み、二日酔いで悲惨なことに。
その苦い経験があって、ウイスキーから一時身を引いていたほどです。
それから数年後、ある出来事があってウイスキーを大好きになりましたが、ジャックダニエルに対しての悪いイメージは払拭できませんでした。
ところが、ジェントルマンジャックと出会い、その美味しさに過去の悪いイメージが消え逆に興味が沸いてきました。
先日ドン・キホーテでジャックダニエル・ブラック(通常のジャックダニエル)がセール価格になっていたので購入。
今飲んでみると、ジャックダニエル・ブラックもジェントルマンジャックに負けず劣らず美味しかったです。
若い頃に抱いた悪いイメージは、めちゃくちゃな飲み方をしていたからか?
もしくは、歳を重ねて趣向が変わったのか?
答えはわかりませんが、今の私は自信を持って断言できます。
アメリカンウイスキーで私のおすすめはジャックダニエルだと。
目次
ジャックダニエルの歴史
(画像:ニッカウヰスキー公式 わしのツイスキーより参照)
創業者:ジャスパー・N・ダニエル(1850年-1911年)通称ジャックダニエル
貧困な家庭で生まれ、家族の友人に預けられわずか7歳で牧師のダン・コールが経営していた蒸溜所で働き始める。
1863年 牧師としての仕事に専念するためにダン・コールは13歳だったジャックダニエルに蒸溜所を譲り運営を任せる。
その後、南北戦争を経て、1866年にリンチーバーグの現在の場所に新しく蒸溜所を建立。
これが、現在のジャックダニエル蒸溜所で、政府公認第1号蒸溜所となっている。
1904年 セントルイス万国博覧会でオールドNo.7(後のジャックダニエル・ブラック)を出品し、世界各国のウイスキーの中で唯一金賞を獲得。
知名度が上がりそこから世界的に認められるようになる。
順調に進むかと思われたが、1919年禁酒法が施行。
50年以上続いた蒸溜所は閉鎖へと追い込まれる事になる。
禁酒法廃止後に、ジャックダニエルの甥によって一度は再建されますが、その後の後継者が現れず、アーリータイムズなども擁するブラウンフォーマン社に買収され現在に至る。
蒸溜所のあるムーア郡はドライカウンティ(アルコール飲料の販売を禁止している郡)となっていて、蒸溜所の見学ツアーでも残念ながら試飲はできず、蒸溜所以外では酒を買うことも飲むこともできません。
2016年には蒸溜所の創業から150周年を迎えました。
販売総数は年間1.290万ケース(2017年)と、スコッチのジョニーウォーカーに次いでグローバルブランドでは第2位となっている。
ブラウンフォーマン社とは?
1870年に、ジョージ・ガーヴィン・ブラウン氏によってアメリカ・ケンタッキー州に創立された、アメリカ発祥のスピリッツ・ワイン会社の中で最も歴史のある会社の1つ。
主力ブランドはアメリカンウイスキー世界No.1ブランドである「ジャックダニエル」や、「アーリータイムズ」をはじめ、リキュール、ウオッカなどで、現在、25以上のブランドを世界160カ国以上で販売している世界有数のスピリッツ・ワイン会社。日本のアサヒビールと販売提携している。
ジャックダニエルの特徴
ジャックダニエル・ブラック
ジャックダニエル・ブラックは、「テネシーウイスキー」としてバーボンとは別格にランクされる、アメリカを代表するプレミアムウイスキーです。蒸溜したウイスキーを木桶に詰めた楓の木炭で、一滴、一滴チャコールメローイングするのが、創業以来のテネシー製法。
バニラ、キャラメル等の良い香りとまろやかでバランスのとれた味わいが特徴です。
ジェントルマンジャック
ジェントルマンジャックは、2度のチャコールメローイングによって磨きぬかれた、極めてスムースでなめらかな味わいです。その製造方法から生産量が限られるため、レアなテネシーウイスキーとして愛好家達に知られています。
バニラ、キャラメルのバランスの良い香りとほのかにフルーティな香り。スムースでやや甘さを感じさせる豊かな味わいが特徴です。
チャコールメローイングとは
サトウカエデの木炭でウイスキーを濾過すること。
当時からリンチーバーグ周辺ではサトウカエデの木炭で濾過する手法が行われていました。
ジャックダニエルはこの手法を踏襲し、チャコールメローイング製法を確立したと言われています。
サトウカエデの葉はカナダの国旗に使用されていて、ホットケーキやワッフルにかけるメープルシロップはサトウカエデの樹液を煮詰めたもの。
まずサトウカエデを角材に加工し乾燥させそれを燃やして木炭を造る。
サトウカエデの炭の生産は工場内で行われており、アルコール濃度70%のジャックダニエルの蒸留液を着火剤として使用している。
(画像:アサヒビール Liqulr World nextより参照)
それを細かく砕いて高さ3mの大きな槽に入れ、蒸溜されたばかりの蒸留液を一滴一滴、時間をかけて濾過する。
テネシーウイスキー造りでは重要な作業で10日ほどかかる。
その間にウイスキーの蒸溜工程でわずかに残ったフーゼル油などを取り除き、サトウカエデのエッセンスを吸収すると考えられている。
まろやかで独特の香と味わいが付加されるとのこと。
原料と仕込み水
トウモロコシ80%にライ麦、大麦麦芽を使用。
仕込み水は蒸溜所の敷地内にあるケーブスプリング(鍾乳洞)から沸き出る、ライムストーンウォーター(石灰岩を通って濾過された水)を使用。
無色透明でミネラル分の多い水が、ジャックダニエルの酒質を造っている。
自社で製造した新樽
樽職人が一つ一つ手作りするホワイトオークで生産した新樽のみを使用。
熟成されたウイスキーをマスターディステラーが選別。
100年以上変わらぬ製法でその味わいを守り続けている。
ジャックダニエル・ブラックとジェントルマンジャックを飲み比べた感想
ストレート
・ジャックダニエル・ブラック
サトウカエデの甘みと木炭で濾過されたテネシーウイスキー独特のドライでクールな香味。
ピリリとしたアルコール感に、微かなバニラ香。
ストレートでも美味しく飲むことが出来る。
・ジェントルマンジャック
ブラックの角が取れたようなスムース感。
アルコール感は低め、ほのかなメープルシロップの甘み。
ブラックよりも飲みやすく雑味が少ない。
少しボディは薄いが、個人的にはちょうど良く飲みやすい。
オン・ザ・ロック
・ジャックダニエル・ブラック
ピリリとしたアルコール感が無くなり、飲みやすくグビグビ飲める危険な飲み物。
メープルシロップの香味が花開く。
・ジェントルマンジャック
冷やされた分、甘みに爽やかさが加わるが変化はブラックに比べると少ない。
ハイボール
・ジャックダニエル・ブラック
個人的に一番おすすめの飲み方。
冷淡でドライ、ほのかな甘みが絶妙。癖になる味。
・ジェントルマンジャック
非常に飲みやすく美味しい。
ただ、ストレートで感じた甘みが若干薄まり、ジェントルマンジャックとしての特徴は無くなる。
ジェントルマンが影の薄い紳士になってしまう。
個人的にはストレートをおすすめしたい。
ジャックダニエル 製品ラインナップ
・ジャックダニエル シングルバレル
シングルバレルウイスキーのみが持つコクと芳醇さにジャックダニエルのみが持つスムースさを兼ね備えた逸品です。ウイスキー通に贈る、傑作のひと樽。樽から最大限に引き出されたバニラ、キャラメルの香り。口いっぱいにひろがる熟成由来の甘さ、芯のある力強いコクが特徴です。
・ジャックダニエル・ゴールド
マスターディスティラーが特に熟成された樽を厳選、2度目のチャコールメローイングと2度目の樽熟成(メイプルウッドフィニッシュ)を経たジャックダニエル・ゴールドは、極めてリッチでスムーズな味わいと卓越したバランスを兼ね備えています。
・ジャックダニエル シナトラセレクト
ジャックダニエルをこよなく愛し、葬儀の際棺にジャックダニエルを入れたフランク・シナトラ生誕100年を記念され製造された、ジャックダニエルの最高級品です。シナトラバレルと呼ばれる専用の熟成樽で熟成され、濃厚で芳醇な味わいが特徴です。
最後に
ジャックダニエルを購入したら是非してもらいたいことを1つ挙げる。
他のウイスキーと飲み比べして欲しい。
チャコールメローイングが生み出す香味を実感できるでしょう。
一滴一滴サトウカエデの木炭で濾過されたテネシーウイスキー。
飲みすぎには注意してくださいね!!